ここ数日「Wanna Cry/Cryptor」という新型の暗号化型コンピュータウィルスが世界中で猛威を奮っています。中国でもすでにかなりの被害が広がっているようです。
コンピュータウィルス「Wanna Cry/Cryptor」とは
この「Wanna Cry/Cryptor」に感染すると、このような画面が出ます。

Wanna Cry/Wanna Cryptor感染後に表示される警告画面
パソコンの大事なファイルが暗号化でロックされてしまい、300ドルの身代金をビットコインで要求され、支払いすればファイルを解除できるというメーセージが提示されます。
ほとんどのランサムウェア(身代金要求型ウィルス)の感染対象はWindows系のパソコンですが、最近macOSやUnix系のシステムへの感染報告もありました。
主な感染源としては、メールの添付ファイルやクラウドディスクのシェアリンク、ブラウザからのダウンロードです。既に感染したファイルを開くと更なる感染へとつながります。
「Wanna Cry/Cryptor」に感染しないようにする方法
まだこのウィルスに感染していない方は、感染しないように予防しておくことが必要です。
1.パソコンのアンチウィルスソフトを更新する
現在多くの大手アンチウィルスソフト会社がランサムウェアに対応しています。Avast!やAVGのような基本機能を無料版で提供しているアンチウイルスソフトも対応済みのお知らせを出しています。
アンチウィルスソフトがパソコンに入っていない方は、ここから「Avast!」を無料ダウンロードできます。
Avast!:https://www.avast.co.jp
2.Windowsをアップデートする。
ほとんどのランサムウェアはWindowsの脆弱性を利用しており、マイクロソフト社からすでに修正アップデートがリリースされています。なるべく早くWindowsを更新してください。
3.アンチウィルスでパソコンをスキャンする
アンチウィルスソフトやWindowsをアップデートした後は、ネットを切った状態でアンチウィルスソフトを起動し、パソコンをフルスキャン/修復を行って下さい。
4.良くわからない添付ファイルやリンクは開かない
既に感染したファイルを開くと更なる感染へとつながりますので、良くわからないリンクや添付ファイルなどは絶対に開かないようにしましょう。
5.大事なデータはバックアップをとっておく
データのバックアップにはいろいろな方法がありますが、私はGoogle Driveをお薦めします。Google Driveにデータを入れておけば、どの端末からでもアクセス自由ですし、携帯で取った写真をパソコンで見るなど、携帯とパソコンの連携もいちいちケーブルで繋がなくてもすぐに見ることができます。
Google Drive:https://www.google.com/intl/ja_ALL/drive/
その他に、パソコンで仕事をする人で新しくパソコンを購入する際は、MacBook Proをお薦めします。ウイルスへの感染確率が大幅に減ります。ただWindowsからMacに移行すると、慣れるまで数ヶ月はかかるかもしれません。それでもMacの方が仕事の効率はアップします。
また、この「Wanna Cry/Cryptor」が出回っていることで、パソコンの電源を入れるのすら怖いという方もいるようですが、パソコンの電源を入れた途端に感染するなんてことはありませんので、その点はご安心ください。
中国でChrome+Google Drive+VPNで大事なデータを守る
中国に住んでいる方は、VPNを契約している方も多いと思います。VPNはこのようなウィルス感染予防にも役に立ちますので、youtubeやFacebookを見るだけではなく、最大限に活用しましょう。
中国国内ではいろいろな場所で無料Wi-Fiにアクセスできますが、無料Wi-Fiは便利な半面、危険も高いのです。公共のWi-Fiを使う場合はVPNを併用すれば、リスクを減らすことができます。参考:無料VPNを避けるべき理由
また中国系のソフト、特に「360」や中国系のブラウザ「hao123」などは強引にたくさんの不明ソフトをインストールするように誘導してきますので、中国系のブラウザはできるだけ使わないようにし、安全性の高いChromeを使うようにしましょう。
参考:今後Chromeがブラウザの主流に!?今のうちに乗り換えよう!
私が使ってるChromeに「良之助VPN Chrome版」の拡張をインストールする方法は中国の様々なネットのリスクから守ってくれるのでお薦めです。
良之助VPN:https://ryonosuke.jp/
個人や中小企業に欠かせない大事なファイルの管理のためにGoogle Driveを活用できるので、本当に助かっています。パソコンが壊れてもデータはGoogle Driveに残っているので安心です。
Googleは中国からVPNなしではアクセスできないので不便なのですが、逆の見方をすれば、中国のハッカーから守られているとも言えるので、大企業のような厳重なデータ管理システムがない個人や中小企業では、データのひとつの守り方として良い方法だと思います。また、Google DriveやGmailは25MB以下のファイルを自動的にウィルス スキャンしてくれる機能があるのでその点も安心です。

良之助VPN Chrome版でGoogle Driveを活用する
Google Driveの活用方法については、下記の記事が詳しく書いてあってお薦めです。
■Excel、Wordはもう古い?仕事に活かす「Googleドライブの使い方」活用術!
■Googleドライブで生産性を最大化する7つの方法
「Wanna Cry/Cryptor」に感染してしまったら
もしすでに感染してしまったとしても、決して身代金を支払ってはいけません。身代金を払ってもハッカーを喜ばせるだけでファイルのロックが解除される保障はありませんし、支払うことによって銀行口座情報を知られるという可能性もないとはいえません。
しかし「Wanna Cry/Cryptor」という新型ランサムウエアに対応した復号化ツールは、現状は各アンチウィルス会社がまだ開発中です。復旧ツールができるまで、待つことしかできません。
そんなわけで現状では「Wanna Cry/Cryptor」に感染してしまったら、パソコンを再インストールするより他ないようです。もちろんパソコンを再インストールすると大事なデータも消えてしまいますが・・・。やはり感染する前の予防が大事ということですね。
新型の「Wanna Cry/Cryptor」ではなく、旧型のランサムウェアに感染した場合は、下記のリンクから修復することができます。
https://www.barkly.com/ransomware-recovery-decryption-tools-search
https://esupport.trendmicro.com/support/vb/solution/ja-jp/1114210.aspx
https://www.avast.co.jp/ransomware-decryption-tools
https://www.nomoreransom.org/decryption-tools.html
http://kaciydiscovery.hatenablog.com/entry/2016/05/10/215817
どんなコンピュータウィルスでも一度感染したら、復旧ツールで修復したとしても、その上でパソコンを再インストールし直すことを強くお薦めします。大事なデータのバックアップ方法は上にも書いたとおり、Google Driveが無料ですし、使い勝手も良いのでとてもお薦めです。Google Driveでなければ、外付けのUSBディスクにバックアップを取る方法もあります。
コメント
初めまして!梵と申します。
この度は貴重な情報をお教えくださり
感謝しております。
早速「Avast!」をダウンロードして
使用しております。
お願いが一つあるのですが、もし差し支えなければ
この記事を私のブログでご紹介させていただけないで
しょうか?
私の読者様には欧米にお住まいの日本人の
方々や私と同年輩のシニアの方々もいらっ
しゃいますので情報を拡散する事により
「身代金要求型ウィルス」からの感染防止に
繋がるのではないかと思います。
ご検討の程、宜しくお願い申し上げます。
コメントありがとうございます。
少しでもお役にたてたのなら幸いです。
梵さんのブログで紹介という件についても、うちのブログ名と記事のリンクをつけていただけるなら、ぜひお願いします。
もしよろしければ相互リンクもしませんか?