最近ふとしたきっかけで、ある4年前の中国に関するドキュメンタリー番組を見ました。
このドキュメンタリー番組は加速する日本の若者たちの「日本離れ」の実態を追うという内容のもので、4人の中国で働く日本人にスポットを当てています。この番組を見て、私は結構な衝撃を受けました。特に一番衝撃を受けたのは、日本人がわざわざ中国に赴いて、安い労働力と化している事実です。
このドキュメンタリーで取り上げられた4人の日本人の月給がこちら。
・Aさん:システムエンジニアとして勤務。月給は日本円にして7万円未満。
・Bさん:コールセンター勤務。月収10万円、年収120万円。
・Cさん:手書きの日本語伝票をデータ入力。時給340円、月収6万円以下。
・Dさん:起業。月収8万円。(この方は自分での起業なのでちょっと特殊)
企業側から見れば、この人達を日本で雇えば月20万円前後はかかるところ、中国で現地採用という形にすれば月10万円弱で済んでしまうのだから、こんなにおいしいことはありません。今まで中国人=安い労働力だったのが、すでに日本人が安い労働力になっているということに驚きました。また、ドキュメンタリーの中では無気力な日本人と熱心に勉強する中国人の姿が印象的でした。中国で日本料理屋に通い、スーパーで日本食を買い、日本語の通じる理髪店で髪を切るなど、中国には日本語だけで十分暮らせる環境があるため、せっかく海外にいるのに日本とほぼ同じ生活をおくる日本人が映される一方で、一緒に働く中国人は日本に行ったこともないのに日本語ペラペラ、もっと給料の良い会社に転職しようと常に努力を怠らないという感じでした。実際には必死でスキルアップを目指す日本人もあまり努力しない中国人もいると思いますが、でも私も中国に長く住んでいて、やはり全体的には中国人の方がハングリー精神があって努力している印象が確かにあります。
中国で現地採用で働こうと思っている日本人の方は、中国での快適な生活に溺れず、常にスキルアップの道を探していかないと、中国人にどんどん仕事を取られていくのではないかと思いました。でも、じゃあ日本語の環境にどっぷり使ってしまっている人たちを見て情けないとか、もっと努力をすればいいのにと思うかといえば、それはかなり難しいことだとも思います。もっと努力しろと口でいうのは簡単ですが、実際自分がその立場になってみるとなかなかできることではありません。
このドキュメンタリーにでてくるDさんは不慣れな中国語を必死で操り、現地の中国語しか通じない理髪店や病院に行き、日本語がペラペラとはいえないスタッフを雇用して、時にはスタッフと衝突しながらも奮闘しており、非常に頑張っておられました。この方は今でも中国で会社を経営しています。私と年齢もそれほど変わらないし、改めて自分ももっと頑張らないと!という気にさせられました。
ちなみに、この3人の現地採用の給料は非常に安いですが、これは日本人で日本語が話せる、ということ以外特別なスキルを持っていないための給料です。何か即戦力となるスキルを持っていれば現地採用でももっと高い給料がもらえます。特に20代の若者でIT系や営業でまあまあのスキルをもっていたり、起業を考えている方は日本よりチャンスがあるかもしれません。
コメント
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