最近中国では「国内で初めて工信部のVPN業務販売許可証を取得」という看板を掲げた「創聯VPN」が人気を上げていました。しかし、この「許可証を取得」というのは虚偽であったことがわかり、ニュースになっています。
工信部が自ら虚偽であるとの声明を発表、警戒を呼びかけ
7月7日夕方頃、工信部はWechat公式アカウントにて、下記のような声明を発表しました。
最近ネットで「工信部が創聯VPNに初となる業務販売許可証を発行した」という噂が広まっています。調査したところ、この情報は虚偽であることがわかりました。この会社は我が部門や他の各通信管理局が発行する電信業務経営許可証を取得していません。」
近日,网传“工信部给创联VPN颁发首批业务销售许可证”。经查,此消息为虚假信息。该报道所涉公司未获得我部或各通信管理局颁发的电信业务经营许可证。
大胆不敵な虚偽行為の手口
工信部は声明の中で、「国内初 創聯VPN販売許可証調印式」の写真は2012年11月28日の工信部の電子知的財産権中心が主催した「331(二期)企業知的財産権トレーニング戦略提携調印式及びプロジェクト起動会」の写真を加工したものだとし、騙されないように警戒を呼びかけました。
出典:http://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_1727714?from=singlemessage&isappinstalled=1
このように、この会社はかなり大胆かつ大々的に許可証を取得したことを宣伝しており、多くの中国人利用者が騙されたようです。
騙されたユーザーの声
創聯VPNでは1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の4つのコースがあり、価格はそれぞれ48元、144元、280元、509元でした。
あるユーザーはWeChatにて、「1ヶ月コースを購入後、チャージ失敗の文字が表示された。」と発言しています。カスタマーサポートに問い合わせしたところ、「1ヶ月コースは現在メンテナンス中で、7月15日以降チャージ可能」だとし、「追加料金を払って3ヶ月コースを購入することを薦められた」といいます。その後96元を再度支払うも、またチャージ失敗の表示が出現、カスタマーサポートは「ユーザーが多すぎて、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月は全て7月15日以降チャージ可能」とし、さらに1年コースを購入するように薦めてきたそうです。
今後このような会社が他にも現れる可能性
この会社はビックリするような馬鹿な手口で、派手にバレバレな工作を行ってあっという間に明るみにでてしまいましたが、今後もっと上手く隠してやる会社も出てくるのではないかと思います。
今のところ、一般の民間企業は「中国国内通信限定のVPN経営許可証」は、厳しい条件を突破すればなんとか取得することができますが、「国際VPNの経営許可証」取得はどうやってもできません。現在、中国国内で国際VPNサービスを含めた「国際データ通信の経営許可」を得ているのは中国電信、中国聯通、中国移動、中国鉄通の4社のみです。しかし残念ながら、これら4社のVPNサービスはあまり個人向きではありません。
購入するのであれば、十分に調べた上で、気をつけてしましょう。