中国には昔から伝わる笑い話がたくさんあります。しかし地方によってすこしずつ話が違っていたりするためなかなか本などにまとめにくく、中国国外ではあまり聞く機会がありません。しかし長い歴史をもつ中国の笑い話には面白いものが沢山あります。
今回はそのうちの一つを紹介したいと思います。
題名がついていないのですが、ロバを連れた親子のお話です。
ある農村にすむ親子が一匹のロバを連れて街まで買い物に出かけました。 父親がロバに乗り、息子はムチをもって後ろを歩いていると、通りかかった人のつぶやきが聞こえ ました。 「自分はロバに乗って子供は歩かせるなんて、なんて父親だ!」 それを聞いた父親は、あわてて息子をロバにのせ、自分は歩くことにしました。 そしてしばらく行くと、また通りかかった人の話す声が聞こえます。 「父親を歩かせて、自分はロバに乗っている。なんて親不孝な息子だ!」 それを聞いた父親は、焦って自分もロバに跨がりました。 二人でロバに乗っていると、またまた話し声が聞こえます。 「一匹のロバに二人も乗って、ロバを殺す気か!」 これを聞いた親子は大急ぎでロバから降り、ロバをひいて二人で歩いて行くことにしました。 すると今度は突然、誰かが言いました。 「あの二人は馬鹿じゃないのか。せっかくロバがいるのに乗らないなんて!」 これを聞いた男はもうどうしようもなくなって、縄をさがしてくるとロバを縛り上げ、二人で街まで 担いでいきました。 ロバはとても重く、通りを行く人々の邪魔になるのを心配した親子はこう叫びながら歩きました。 「畜生ー!道を開けてくれ!」
ある農村にすむ親子が一匹のロバを連れて街まで買い物に出かけました。
父親がロバに乗り、息子はムチをもって後ろを歩いていると、通りかかった人のつぶやきが聞こえ
ました。
「自分はロバに乗って子供は歩かせるなんて、なんて父親だ!」
それを聞いた父親は、あわてて息子をロバにのせ、自分は歩くことにしました。
そしてしばらく行くと、また通りかかった人の話す声が聞こえます。
「父親を歩かせて、自分はロバに乗っている。なんて親不孝な息子だ!」
それを聞いた父親は、焦って自分もロバに跨がりました。
二人でロバに乗っていると、またまた話し声が聞こえます。
「一匹のロバに二人も乗って、ロバを殺す気か!」
これを聞いた親子は大急ぎでロバから降り、ロバをひいて二人で歩いて行くことにしました。
すると今度は突然、誰かが言いました。
「あの二人は馬鹿じゃないのか。せっかくロバがいるのに乗らないなんて!」
これを聞いた男はもうどうしようもなくなって、縄をさがしてくるとロバを縛り上げ、二人で街まで
担いでいきました。
ロバはとても重く、通りを行く人々の邪魔になるのを心配した親子はこう叫びながら歩きました。
「畜生ー!道を開けてくれ!」