デジタル時代の不公平 コツコツ働くことは正しいか

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ビットコインがもたらす格差の恐ろしさ

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すっかり乗り遅れた感があるものの、最近になって仮想通貨の勉強を始めました。2017年の11月末から何度かに分けて、数カ所の取引所で総額25万円分を購入しました。結果1ヶ月後、それは47万円になっていました。

とはいえこの金額ではただのお小遣い稼ぎだし、数日で数十万円の損失を出す人だっています。しかし現在仮想通貨市場に大きな利益を得られるチャンスがあるということは間違いありません。実際2017年1月に1ビットコイン11万円だったのが、年末には1ビットコイン200万円にまで値上がりしています。乗り遅れた人が少額購入したところで利益はたかが知れていますが(だとしても1ヶ月で22万円はおいしいですが)、早くから手を付けていた人はまるでおとぎ話のように大金を手に入れています。

私のような大多数の一般人は毎日忙しく仕事し、生活に疲れていると思います。伝統的な大企業に勤めるサラリーマンだろうが、自分で事業を起こした個人事業主だろうが、契約社員だろうが、儒教の伝統思想の影響を深く受けている東アジア人達は常に「勤勉!」「努力!」「忍耐!」「真面目!」といったことを美徳としています。

そうやって我々が毎日努力して真面目に仕事をしている横で、ある日ふと気がつくと、それまで遊んでいるようにしか見えなかった人が大金を手に入れ、働く必要すらないほどになっている。もっと重要なのは、これらの人々が経済上の成功を得たことで自信につながり、生活上においても、なにか新しい事を始めるにしても、情熱に満ち溢れ、成功への良い循環が生まれているということです。逆に我々のように真面目にコツコツと仕事をやっている人間はただただ忍耐力と居酒屋によってのみ各方面のプレッシャーに耐えているのです。正に負の循環と言えます。

現代社会の公平と不公平

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私は一時期、今の時代はなんて不公平なのか、結局最初からお金を持っている人が更なるお金を生み出し、今持っていない人は取り残されるしかないと思い悩んでいました。このころ丁度中国は不動産ブームで、一つの物件で1000万円、2000万円儲けるなんてことも全く珍しくありませんでした。お金持ちはどんどん物件を購入し、すごい勢いで儲けていくのに自分は住んでる家のほかには、もう一軒買う余裕もない。

しかし自分は仕事に対して努力していないわけではない。私だけでなく多くの日本人が真面目に職場にしがみつき、コツコツと社会に役立つ仕事をこなしてそれ相応の報酬を手に入れている一方で、どれだけ社会の役に立っているのか怪しいようなYouTuberやブロガー、それからスーツも着ず、通勤ラッシュも味わったことのない、すでにお金も時間の余裕もあるIT関係者、不動産や株の投資者などが、普通のサラリーマンでは見たことのないような大金を手に入れ、この時代の勝者となっています。

しかし最近、今の時代が不公平なのではなく、自分が井の中の蛙だったのだと気が付きました。デジタル時代の変化を自ら理解しようと動いていませんでした。このデジタル時代、新しいものを拒絶するということは、前に進むチャンスを拒絶するのに等しいことでした。ビットコインで成功した人の中にはコツコツ働いているけれどもビットコインの先進性にいち早く気が付き、好奇心をもって投資した賢い人もいるのですから。

私のこの十数年の経験からくる教訓

△自分の経験や人の評論に左右されて安易に新しい物を否定しない

デジタル時代は新しい物が沢山生み出され、はじめはそれが問題ないものであるか参考になるものがなく、一定の期間を経ないとそれが良い物か悪いものか判断できません。しかし発展スピードも早いので、判断できるようになるまでそれほど時間はかかりません。一般的に1年あれば十分判断できます。

△必ず新しいものに注目し、勉強し続ける

デジタル時代の情報量は膨大になり、沢山の信用できない情報や情報のコピーも溢れています。だからといって新しい物への理解を拒む言い訳にはなりません。新しい技術発展の方向性や、ビジネスチャンスとなるキーワードは毎日至る所に出現しています。常にアンテナを張っておかなければ時代に取り残されてしまいます。

△【努力!勤勉!忍耐!】まずコツコツ働くことが前提

コツコツ働くという多くの日本人が持つ長所は、デジタル時代においてもやはり長所に変わりありませんが、ただしそれは正しい方向に発揮する必要があります。努力の方向を間違ったり、周囲の変化に目もくれず自分がすべきと思うことだけしかみていないと、その努力と継続は自分の道をどんどん歩きにくいものにしてしまいます。

△今すぐやる

デジタル時代の変化はあまりにも早いです。リスクをコントロールできるという前提の下、何か新しいことを試してみようかと考えた時は、すぐに取り掛かるべきです。やるかやらないかあれこれ考えたり迷ったりしていると、簡単にチャンスを失ってしまいます。大企業がベンチャー企業に負けた時の原因は、これがひとつ大きな理由だと思います。

△逆思考を持つ

チャンスは多くの人に訪れますが、それをつかめるのはほんの一握りの人達。その一握りの人たちが持っているのが逆思考です。例えば投資や投機に成功するには、皆が買いたくないと思っている時に購入し、皆が買いたいと思った時に売却することです。

△一般人も投資/投機をやるべき

この変化スピードの早い時代、企業が簡単になったのと同時に、失業の確率も高くなりました。年齢が高くなるほど経験が積める仕事は昔に比べ減り、年齢が高くなると若い人より効率が下がってしまう仕事内容が増え、失業のリスクは更に増しました。そのため、生活費には影響のでない範囲で、多少は投資に回すことがとても必要です。

ただし、一般人が投資をやる場合は下記に注意して下さい。

  • 投資をするために借金しない
  • 生活費に手を出さない
  • 高リスクの投資は貯金の10%以内に留める
  • 高リスクの投資をする際は十分に勉強・調査してからやる

結論

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なんだかちょっと説教臭くなりましたが、これらは私が最近自分に言い聞かせていることです。そしてタイトルにある「コツコツ働くことは正しいか」という問いの答えですが、私が考えるにはこの時代でもやはり正しいと思いますが、それだけでも駄目だと思います。コツコツ働きつつも、新しいものに常に注目し、これはと思うものはとりあえずやってみる。そのような好奇心をもっていないと、人に使われて安い給料を手に入れるだけの人になってしまいます。

私は別にビットコインをやるべきだと推奨しているわけではありません。ただ、現代社会の勝者に共通しているもの、それは新しいものに好奇心をもってやってみる、ということです。ビットコインにしても、YouTuberにしても、中国の不動産投資にしても、大金を手に入れられるのは結局早くから手をつけていたからに他なりません。これからも新しいものはどんどん出てくるでしょう。それに如何に早く気づき、実行に移せるかが鍵となります。

もちろん、幸せというのは自分の心次第です。もし仕事にどっぷり浸かっていてもそれを楽しんでできるなら、そのような人はどんな時代でも幸せだと思います。しかしどんな精神状態であっても、お金が生活の基本であることに変わりはありません。