日本のITの現状と未来
日本のIT産業や技術力はアメリカに10年以上遅れているとよく言われます。しかも現在は中国にも追い越されています。
日本が遅れた理由はいろいろありますが、大きな原因の一つはITの人材不足でしょう。そこで2020年度から小学校でもプログラミング教育が必修化されます。これからは子供たちがプログラミングを勉強するのが当たり前の時代を迎えます。
子供に最適なプログラミングとは?
プログラミング言語はたくさんあります。例えば、C、Java、PHP、Python、Javascript、Ruby、Swiftなどがよく使われています。子供にとってどの言語も難しそうですが、私の経験上、初心者の場合一つのプログラミング言語を覚えるより、プログラミングの考え方を身につける方が大事だと思います。
例えば、どの言語で作ったプログラムも、基本的に中身はパソコンを制御する命令文が「上下の順番実行」、「条件付け分岐」、「循環実行」の三種類の並び方でまとめられています。
子供の場合、プログラミングの考え方を身につける上で更に大事なことは、プログラミングに関する趣味を持つことです。プログラミングが好きになれば、更に難しいことに挑戦しようという意欲がわきやすいです。
子供にはいきなり本格的なプログラミングを勉強させることはお勧めしません。なぜなら、物を抽象化する能力がまだ足りないので、プログラミングで頻繁に使用される英単語、符号、数字の塊よりも、画像、図、手の操作の方が子供にとってわかりやすいからです。
私自身が自分の子供にプログラミングの勉強をさせた経験により、以下のアドバイスがあります。
■ 一番お勧めの言語(ソフト):Scratch
ホームページ:https://scratch.mit.edu/
Scratchは、MITメディアラボが開発した「ビジュアルプログラミング」の一つです。
ビジュアルプログラミングとは、本来英単語で表されるプログラミングの命令文を、わかりやすいブロックの形にしていて、ブロックを積み替えればプログラムを作れるという仕組みのことです。ブロックの種別ごとに色分けもされており、子どもにとっては視覚的にも面白いと思います。
上記のページを開くと、ウェブブラウザ上でプログラミングできますが、私のお勧めはネット環境がなくても使える古いバージョンのscratchをパソコンにインストールすることです。動作が速く、作業に集中しやすいです。
古いバージョン1.4は下記のリンクからダウンロードできます。
https://scratch.mit.edu/scratch_1.4/
■ 子供のためのパソコン購入アドバイス
まだ使える古いパソコンが既にあるならば、それを子供専用にすることをお勧めします。もし子供専用の新しいパソコンを購入するなら、少なくても5年以上使える、スペックに余裕を持ったものがいいと思います。私のアドバイスは下記の通りです。
- OS: Windows10以上
- CPU: インテル Core i5
- メモリ:4G以上(将来8G以上拡張可能)
- ハードディスク:300G以上(将来必要ならSSDに交換)
- 画面:13インチ以上(持ち歩く必要なら、13.3インチはベストサイズ)
メモリやハードディスクのアップグレードや交換は誰にでも簡単にできますが、CPUの交換は無理だと考えた方が無難です。パソコンを長く使うためには、最初からCPUのスペックに余裕を持って購入するのがポイントです。現時点ではインテル Core i5レベルのCPUを一番お勧めします。なぜなら、5年後でも最新のソフトが快適に動作できると考えられるからです。
ノートパソコンを購入するなら、液晶画面のサイズ選択も悩みの一つです。頻繁に持ち歩く必要がある場合は、13.3インチがベストだとよく言われています。普段ほとんど移動をしない場合は、15インチが適切でしょう。
■ お勧めの本
近年日本でもScatchの本はたくさん出版されています。初心者なら少なくても一冊入門の本を購入しましょう。もちろん、日本にいるなら図書館でも借りられると思います。
Scratchで楽しむ レッツ!プログラミング ジュニア・プログラミング検定 公式テキスト 2018/3/9 |
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できるキッズ 子どもと学ぶ Scratch プログラミング入門 2017/7/13 |
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Scratchではじめよう! プログラミング入門 2015/6/11 |
■ 親も一緒に勉強
少なくてもプログラミングを始めたばかりの段階では、親が子供と一緒に勉強するのをお勧めします。
パソコンが苦手な親御さんはプログラミングをする自信があまりないかもしれませんが、Scatchを実際に触ってみたら誰でもできることが分かるはずです。しかも、子供と一緒にゲームをするような楽しい感覚を味わえると思います。
■ 子供をプログラミング教室に行かせた方がいい?
これは必須ではありません。親が忙しく、子供と一緒に勉強する余裕がなければ、プログラミング教室に行かせた方がいいでしょう。また子供がプログラミングに強い熱意を持って、深く勉強したいと望むようなら、行かせることをお勧めします。
子供にプログラミングを教えることは既にビジネスになっています。しかし、有料の教室以外にも、場所によっては公民館や公益団体が無料のScatchプログラミング教室を開催することもあります。
私の子供は有料のプログラミング教室に行ったことはありませんが、近所の公民館で行われた夏休みの無料教室(5日間)に行ったことがあります。とても楽しい経験になったようです。
この記事で紹介したプログラミングの話はごく普通の子供向けです。
パソコンにとても詳しく、ウェブサイトやiPhoneのアプリの開発を目指す子供はMacbook proを持って、大人と同じように勉強することになります。
ネットでの検索によると、今のところアメリカの最年少iOS開発者は7歳のようです。日本の最年少プログラマーの報道はあまりないですが、少なくても自分で開発した作品を出した小学生のプログラマーは珍しくないです。
日本の全国レベルで開催されるプログラミング大会もいくつかあります。これからは地方や国レベルのプログラミングイベントがますます増えるでしょう。